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武田 聖司
JAERI-Research 99-047, 71 Pages, 1999/08
放射性廃棄物の地層処分に対する安全評価において、放射性元素の溶解度はその廃棄体からの溶解を制限するためのパラメータとして用いられている。本研究では、処分場で予想される地下水組成の変化に対するAm,Pu,Tcの溶解度を、地球化学モデルEQ3/6を用いて算定した。現在原研で元素の熱力学データのデータベース化が行われており、そのデータベースを解析に使用した。Eh-pH条件と放射性元素との錯形成に関与する配位子の濃度変化を把握するため、緩衝材(ベントナイト及びセメント)中の間隙水及び地下水の組成データを調査した。地下水組成の変化に対する溶解度解析から、組成条件の変化がAm,Pu,Tcの溶解度及び化学種の生成に及ぼす影響を予測した。また、地下水組成の調査より推定された現実的な組成の変動範囲を考慮し、Am,Pu,Tcの溶解度と化学形を推定した。
武田 聖司; 木村 英雄; 松鶴 秀夫
Int. Workshop Proc., Improvement of Environmental Transfer Models and Parameters, 0, p.257 - 266, 1996/00
放射性廃棄物処分の安全評価に必要な分配係数は、地下水中の放射性核種の溶存状態に影響を受け変動することが考えられる。本研究では、U、Np、Seの分配係数データに対して、岩石と鉱物の種類及び元素の化学形に関する分類を行った。分配係数データはSDBから引用した。岩種と鉱物種による分類では、岩種及び同一岩石内においてKd値に大きな変動が見られた。実験における溶液組成等の情報をもとに、地球化学モデルから3元素の化学形を推定し、溶存化学形と沈澱状態によるKd値の分類を行った。UとNpの結果から、高い分配係数値は沈澱の影響を含む可能性が高いことがわかった。また、Kdは元素の化学形やその電荷の影響を受けることが示唆された。固体試料の種類と核種の化学形を考慮した分類を行うと、分配係数の変動は小さくなることがわかった。
時澤 孝之
PNC TJ1458 94-003, 122 Pages, 1994/03
本研究は、TRU廃棄物の処分システムの挙動を長期にわたって予測するための個別現象のうち、化学反応と物質移行現象を結合した評価コードを対象として、以下の研究の実施した。(1)化学反応と物質移行モデルの連成に関する文献を対象として、モデルの概要、解析コードの長短所、適用例について検討する。本研究では、これらの調査研究から米国で開発されたHYDROGEOCHEMコードを選定した。(2)地球化学モデルによる結果は、適切な熱力学データの量と品質に依存している。本研究では、広く使用され且つ高品質である動燃殿所有のPHREEQE熱力学データベースをHYDROGEOCHEM用の熱力学データベースに変換するプログラムを作成した。(3)解析コードの適用性に関する検討として、一般的な手順に基づき検証・確証解析を実施した。物質移行モジュールの検証は、FEMWATER/FEMWASTE、解析解とのベンチマーク解析を行い、化学モジュールの検証は、PHREEQEとのベンチマーク解析を行った。また、確証は動燃殿で実施した室内実験に基づく解析を行った。(4)TRU廃棄物処分システムの人工バリアを対象として、核種移行挙動の試解析を実施した。